劒岳―点の記

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明治40年に、その当時未踏峰とされていた剱岳に、
陸軍の陸地測量部の柴崎芳太郎の一行が登頂するお話です。
一行を案内したのは、当時立山随一の山案内人と言われた宇治長次郎。
あの長次郎谷の長次郎です。
日本の山は昔から神々が住む場所とされ、修験道の行者が大昔から山々を巡っている歴史があります。
剱岳もそのひとつではあったものの、信仰の関係でその存在はかなりグレーなものであったと知りました。登頂に至る話は、剣を登ったことのある人ならその情景とマッチするので想像しやすいと思います。
しかし、個人的には立山や剣の歴史を知ることができたことと、当時の測量部の男らしさを感じることができてとても楽しく読むことができました。
日本百名山は深田久弥氏の百名山。
だから百人百色の百名山があると思います。
お客様には自分の百名山を考えてくださいとお話します。
三角点には壮絶な歴史があり、史実として語り継がれるべき話かもしれません。
この本を読んで、三角点を目標に登山されている方のセンスを感じました。
来年映画化されます。
これは必見ですね。
新田次郎氏の本は好きです。
いろいろ読んでいますが、新年1冊目の本としてご紹介いたします。
劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))


コメント
  1. ムラズミ より:

    行った事も見た事もない劔ですが、地図を脇においてルートをなぞりながら想像を膨らませて読みました。「山岳会」の最後の爽やかな対応に「山を愛するものジェントルマンであるべし」と感じました。私もこうなりたいデス。ところで昨年9月 間ノ岳山頂の三角点交換の現場に遭遇しました。セメントと水はヘリで荷揚げしましたが、何10キロもの「石」は背負って一歩一歩上げたそうです。このこだわりにはビックリ。測量魂が受け継がれているのですね。

  2. ゆいの記録 より:

    栄光の岩壁 (上巻)

    「孤高の人」「銀嶺の人」そしてこの「栄光の岩壁」。どの作品の主人公たちもそれぞれほんとうにすごい輝きを放っており、それぞれすばらしい、としか言いようがない。中でもこの作品は、主人公の人柄が明るく、どこかお茶目なところがあり、読後は爽快で、あたたかい気持…

  3. はなたに より:

    ステキですね!
    三角点を意識してみたことはありませんが、このような歴史を知ってしまうと今後は見逃せないですね。
    是非いつか剱岳にも登りましょうね!

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