北鎌尾根
9月6日〜8日の日程で、今シーズン初めての北鎌尾根に入りました。
今回は中房から入山して上高地または新穂高温泉に下山するルートです。
豊科インター降りてすぐの南安タクシーの回送サービスを利用しました。
初日は中房〜燕山荘〜大天井ヒュッテ
燕山荘では、毎年働きに来ているシェルパの友人にも会うことができました。
もちろん、ケーキセットも!
2日目は大天井ヒュッテを朝4時半に出発。
ちょうど明るくなり始めたころに貧乏沢に入ります。ここは暗い時間帯はいつも避けるようにしています。
晴天の一日を約束してくれるかのような朝
小屋からおよそ2時間半で天上沢です。
そこからまた標高差700mの北鎌沢を登ってようやく北鎌の尾根上に出ます。
ここまでが長い!
こうやってチラッと槍が見えてくるとテンション上がりますね!
独標近くでは、ずいぶん槍は近く見えますが実はここからが勝負!
北鎌平まで来ると、もうすぐ!です。
大槍のチムニー。
実はこの方、偶然にも20年以上ぶりにお会いした小学校時代の山の恩師。
いや〜こんな再会があるのか!って感動しました。
大天井を出発しておよそ12時間。
影槍が大きく見えました。
Twitterでいくつか質問を受けたので、ここで僕の考えを・・・
■北鎌で求められるもの
これは一言ではなかなか表現できませんが、まずは体力です。
今回のコースの場合は、大天井ヒュッテから槍ヶ岳山荘までおよそ12時間。
仮に北鎌沢出合でテント泊をした場合でもマイナス3時間くらいなのでおよそ9時間。しかし荷物は重くなりますのでそれ以上かかる可能性もあります。
一日で北鎌を抜ける場合は、まずはその行動時間をこなせる体力が必要です。
もちろん個人差はあるので、この行動時間はあくまでも目安です。
幕営装備を持って途中で1泊して登る人も少なくないと思います。
次にとても曖昧な表現ですが、ルートを見る目です。
北鎌尾根は、クライミング要素は少ないルートです。
しかしながら、ルートファインディングは常に求められます。
ルートを間違えてしまえば、非常に危険な場所に入ってしまう可能性もあります。
そうならないルート取り、そうなった場合の判断などが常に必要なルートです。
この力は、ずっとフォローワーで行動しているうちはなかなか身につきません。
また、普段トップで歩いているからと言っても十分な力が備わっているわけではありません。
一般登山道(例えば奥穂〜西穂間であっても)のようにルートが明瞭でマーキングがしっかりしているルートではなく、
例えば沢登りなど、ルートや状況を自分自身で見極める必要がある場所の経験は、とても重要だと思います。
あとは基本的なロープワーク。
場所によってはやはり確保したほうが安心な場所は多いです。
これ以外にも様々な状況判断を求められます。
天候判断、ルートコンディション、メンバーの様子、危急時の判断・・・
一言で言うなら「判断力」
しかしながら、それらの力を身につけた上で挑戦するには、とてもいい目標だと思います。
■ガイドなしでは厳しいか
そのあたりもやはり「判断」だと思います。
他の山は自分で登れるけど、北鎌は自分の力では及ばないと判断してガイドを依頼されるお客様も多いです。
でも前述したような力を身に付けて挑戦することも可能だと思いますので、
それをどう判断するかはその人次第だと思います。
私のガイドでは、北鎌尾根上では常にロープで結びあった状態で行動します。
もちろんルートは私が見極めてご案内いたしますので、お客様は自分のペースで登っていただけます。
あとはやっぱり・・・楽しいと思います!
今週末はもう一度北鎌へ。
何度登っても素晴らしいルートに感謝です。
写真綺麗ですね~。
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