穂高~槍の継続登攀(後半)

好天のサイクルはあと2日
滝谷の翌日は大キレットを越えて槍に移動。槍の西稜を登攀しました。
小槍に登る名ルートです。
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南岳直下から大キレット方面
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同じく南岳直下
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槍の西稜1ピッチ目
最下部は雪稜なので割愛した。このピッチも快適♪
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2ピッチ目
結構もろい部分があるがなかなか楽しいピッチ。
この上のくの字クラックがこのルートのハイライト。残念ながら写真はなし。
小槍から懸垂で下り、あとは稜線を忠実にたどると槍ヶ岳山頂。
ロケーションといい、ルートの内容といい、ここも日本離れしたすばらしいところでした。
ごちそうさまでした。
翌日は昼まで天候待ちをして停滞。
風が収まったのを確認して槍に登り返し、北鎌尾根を下降。やっぱり北鎌を下降しなければ完結とは言えない旅です。
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頂上からコンテで行動開始
しばらくは傾斜があるので、ずっとコンテで行動。
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北鎌尾根途中から振り返る
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独標まで来てふと左側を見ると、「ここしかない!」ラインが。
地図で確認すると「天狗前沢」とある。明日から天気が崩れるし、今日のうちに下れるところまで下っておきたい。ということで、快適に沢を下降。
振り返ると北鎌尾根の北面が、日本離れした景観を見せてくれました。
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その後、千天出合までは快適だったものの、そこから先が核心!
何と渡渉が20回ほどあって、途中から靴の中が濡れようがウエアがびちゃびちゃになろうがおかまいなしの状態。暗くなってしまって先が見通せないということもあったけど、年末年始にここに来た人の話では渡渉が1回しかなかったらしく、ずいぶん様子が違うなあ。。。と感じました。
単純に雨と雪解けで増水していただけかもしれない。
湯俣から先もこんなことしたり
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こんなことしながら下りました。
下山は結局8日目の翌日となりました。
振り返ってみると、前半の2つの壁。さらに北鎌下降後のクライミングができず、「パチンコ」とはいえ「パチ」くらいしかできなかったことは事実。前半割愛だから「ンコ」か・・・
しかし、気象条件を考えると、前半を割愛したのはベストな判断だった。
体力的には、今回に限って言えば楽でした。
冬期小屋を利用することができることから、かなり疲労回復できます。
それに比べ、黒部横断はずっとテント。
下山後も追い込まれたような疲労感がなく、このあと仮に黒部横断があったとしてもまったく問題ないでしょう。
しかし、前半のクライミングをしっかりこなし、吹雪の中も行動するなら話は別。
やはり体力あってなんぼの継続登攀ですな。
ラインは工夫次第でいくらでも考えられるので、今後も楽しいパチンコができたらいいなあ~
と思いました。
また来シーズン!


穂高~槍の継続登攀(極上の滝谷)

続いて、極上の滝谷です。
今回はクラック尾根を登りましたが、いや~これが何というか。。。まあ、見てくだされ。
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北穂から涸沢方面
この日は微風・快晴。これ以上ないコンディション。もちろん山は2人きり!
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滝谷
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クラック尾根1ピッチ目
薄い、しかし粘りのある氷がびっしり。
アックスを決めるたびに「キュ!」と音がします。ちょっと決めただけで「キュ!」たまらん!
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2ピッチ目
極上
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同じく日本離れした2ピッチ目
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4ピッチ目
最高
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6ピッチ目
幸せ♪
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同じく6ピッチ目
どこまでも続いていてほしいピッチ
というような感じで、終始笑顔が耐えない楽しすぎる滝谷でした。
こんなこともあるんだなあ。。。
これだけは、来てみないとわからない。山はやっぱり自分の足で稼がなきゃダメだ。
情報ばかりに踊らされてはいけない。


穂高~槍の継続登攀(前半)

写真を中心に報告します。
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ようやく姿を見せた前穂高。(入山2日目の夕方)
入山初日は横尾到着後から降り続き、翌日は何と12時間も降り続いた雨。
谷という谷にはデブリがあり、屏風は1ルンゼを登る予定だったけど、
このコンディションで登るのは自殺行為!
また翌日から天気が崩れる予報だったので、一気に穂高岳山荘まで行くことに。
翌日は0時起床でフル行動。
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慶応尾根上部。明るくなって気持ちがいい稜線だった。
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雨の影響か、斜面にはひび割れ多数。
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前穂北尾根方面
本当ならば、この時期もっと白いはず。
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4・5のコルまではノーロープで行動
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4峰の登りからコンテで行動
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3峰もコンテ
結局この日はこのあとずっとコンテで行動。
雪の様子から、稜線まで雨だったようで、本当にいつでも滑落できるくらいのガリガリ斜面だった。
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吊尾根は北尾根よりもいやらしい印象だった
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何とか明るいうちに奥穂高に到着
長い一日だった。
荷物が軽ければこれくらいの行動は日常茶飯事だけど、今回は25キロくらい背負っての長時間行動。やっぱりかなり疲れました。こういうのって、長期山行でしか味わえないもの。やっぱりここまでやると「山に登ってるなあ!」って気になります。
やっぱりこういう登りをやらなきゃ強くならないな。


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