パタゴニア通信Vol.18 フレイ・その2

フレイではチャルテンで同じ宿だった韓国チームとも再開。
フィッツロイを登った時のダメージが大きかったらしく、のんびり楽しんでいました。
これもまた、ここでできるスタイル。

小屋の中はこじんまりとしてて、なかなか居心地のいい場所です。

1泊2食付きで140ペソ。寝袋は持っていったほうがいいようです。
ストーブの横で猫が気持ちよさそうに・・・

で、クライミングの方はと言うと・・・
体調イマイチの僕が足を引っ張ってしまい、思ったようには登れませんでした。

唯一、このあたりで一番標高が高いトーレ・プリンシパルのルートを2本継続して登ったのが一番の成果。
朝出て帰ったら日付が変わって結局18時間行動でした。

いつもより早く起きて、朝焼けで山が真っ赤に染まっていくのを楽しみながらのアプローチ。
やっぱり朝一番の山は美しい。

1本目のルートは、知り合いのアメリカ人クライマーが「このエリア一番のルートで唯一の5つ星!」というだけあって、
変化に富んだ素晴らしいルートでした。

核心の7a+

このルートは南面のルートで一日中日が当たらない寒いルート。
途中から風が吹き始めて、上部は少し震えながらのクライミングになりました。

1本目は同ルートを懸垂して、2本目へ移動。
滝谷のB沢のようなガレ場を下り、今度は日が当たる西面へ。
少し取り付きを間違えたけど、その後はまた変化がある素晴らしいルートを楽しみました。

このルートはその知り合い曰く「フレイで2番目に良いルート!」とのこと。

しかし明るいうちには抜けることが出来ず、途中からヘッドライトで行動。

山頂に立ったのは夜の9時半。
思わず声が出たほどの美しいバリローチェの夜景が忘れられない。
時間はかかったけど、思わぬプレゼントをもらった気分でした。

下降は初めての場所を真っ暗な中でやったので、途中でロープがスタックしたりラインを間違えたり。。。
なかなかすんなりと下りさせてもらえませんでした。

結局テントに戻ったのが夜の1時半。。。

いろいろあって結局このクライミングを最後にフレイから下りることにしました。

・・・振り返って・・・
自分自身の反省はたくさんありますが、ここではフレイという場所について。

街から僅かな時間でこんな環境があるとは!
素直にすごいなあ、羨ましいなあと思ってしまいました。
言うなれば麓から3時間で涸沢に入ることができて、しかもそこにある岩場はものすごく上質の花崗岩。
大小難易様々なルートがあって、いろいろ楽しむことができます。
カール地形が日本アルプスを思わせることがあって、剱岳のどこかにいるような感覚にとらわれる時もあれば、
小さな沢を下降しているときに錫杖岳にいるような気分になったり、、、
どことなく日本を感じさせる部分があったのもよかったなあ。
それだけにちょっと日本と比べたりしてしまって、無い物ねだりにもなりました。

まだまだフリー化を待つルートもあるし、新しいラインの可能性も残っている。
ここだけを登りにわざわざ日本から来るのはちょっと遠すぎるけど、
今回のようにチャルテンの後に帰国までの残された時間で来るには本当にいい場所だと感じました。
実際にそういうクライマーは多かったなあ。

あとここもトレッキング天国。
トレッカーも多く、一人だけだけど日本人にも出会いました。
たぶん1月2月はもっと人が多いんじゃないかなあ、、、と思います。


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